労務管理の要点4…労働時間と休憩時間&休日・休暇

労働時間管理と休日・休暇管理は、シフト管理を含む労務管理の基本中の基本です。当事務所では、総合スーパーの現場で労務管理を行ってきた経験を活かし、労働時間管理や休日・休暇管理をスムーズに実施するための各種シフト管理フォームや法令に準拠した労務管理諸施策をご提案致しております。 以下ではその一部をご紹介いたします。

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<1>労働時間と休憩時間の定義等
<2>休憩時間の設定ポイント
<3>休日とは
<4>休暇とは
<5>振替休日と代休の違い

<1>労働時間と休憩時間の定義等

労働時間に関する法規定

  1. 労働時間は、実際に仕事をしているか否かに関わらず使用者の指揮命令下にある時間です。
  2. 「従業員は、事前準備を行うことを心がけ、始業時刻には直ちに業務に着手できるようにすること。また終業時刻までは業務を行い、終業時刻前に帰り支度や業務から離れるようなことをしてはならない。」「始業時刻とは仕事の開始時刻であり、終業時刻とは仕事の終了時刻をいう。」など労働時間の意義を就業規則等に規定すべきです。
  3. 拘束時間と実働時間は下記のシートを参照してください。

労働基準法(労働時間)

休憩時間に関する法規定(労働基準法第34条)

  1. 使用者は労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも60分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
  2. 休憩時間は一斉に与えなければならない。
  3. 休憩時間の位置と長さは下記のシートを参照してください。

セルフケア研修モデルシート

<2>休憩時間の設定ポイント

  1. 休憩時間を自由に使えなければ労働時間とみなされる可能性が高くなります。
  2. 休憩時間は、自由利用である限り労働時間とはなりません。従って就業規則や作業指示書等で業務から開放するか否かをはっきり規定すべきです。
  3. 権利として保障されている休憩時間を会社が与えない場合には、債務不履行として従業員から慰謝料を請求される可能性もあります。(東京地裁平成5年11月判決)
  4. 会社が当番として電話番等を置く場合、次の事項を検討してください。
    1. 一斉休憩の原則の適用を除外する協定を労働組合など従業員の過半数を代表する者と締結する。
    2. 休憩時間の適用が除外される管理監督者を昼休み等の応対に当てる。
    3. 職場の実情(電話のかかる頻度等)を検討し労使協議を行い、規程等を策定する。

<3>休日とは

  1. 休日とは、労働契約や就業規則によって、予め「労働義務がない日」と定められている日のことをいいます。
  2. 使用者は、原則として休日に労働をさせる権利がありません。
  3. 従って労働者は、原則として休日に就労しなくとも、労働契約不履行の責任を負うことはありません。
  4. 使用者は、従業員代表者と時間外及び休日労働に関する労使協定(労基法第36条による協定、以下「36協定」といいます。)を締結し、それを所轄の労基署に届け出た場合には、時間外労働及び休日労働をさせることができます。
  5. 休日は、「労働義務のない日」つまり労働日ではないため、所定の労働時間は定められていません。
  6. 従って休日に労働させた場合には、所定外労働となり、割増賃金の対象となります。
  7. ただし、休日労働に関しては、5.で示したごとく所定労働時間という考え方は存在しないため、時間外労働というものは発生しません。深夜労働のみ休日労働割増賃金に加算をする対象となります。

文書整理研修モデルシート

<4>休暇とは

  1. 休暇とは、労働義務のある労働日(所定労働時間が定められています。)について、「労働義務の免除」を労働者が申し出たことにより得た日のことをいいます。
  2. 代表的なものは年次有給休暇(以下「年休」といいます。)ですが、年休の付与及び付与日数に関しては労基法第39条に厳格に定められており、この法令違反については罰則規定があります。
  3. 年休については、使用者は労働者の請求する「時季」に与えなければなりません。
  4. ただし、事業の「正常な運営を妨げる」場合は、他の時季に変更できます。
  5. また、年休の取得日については、通常の賃金もしくは平均賃金を支払わなければなりません。
  6. 年休は、労働義務の免除を申し出た日(例えば育児休業、介護休業)については、与える必要はありません。従って、育児休業の申し出をする前に申し出のあった年休の時季について、育児休業期間中の日に時季を変更することはできませんので充分注意してください。
  7. 年休以外に有給の定めのある休暇はありませんので、産前産後休暇、育児・介護休業、生理休暇、慶弔休暇等について、労使の協議により、賃金の有無を定めることができます。

<5>振替休日と代休の違い

休日振替とは

  1. 予め休日と定めた日を労働日とし、他の労働日を休日にすることを「休日振替」といいます。
  2. 就業規則等に休日振替の定めのない場合は、休日振替をすることができません。尚、この場合は休日労働となり、割増賃金の支払が必要となります。
  3. 就業規則の休日振替規定による休日振替は、休日労働にはなりません。
  4. ただし、予め振替日を指定しない場合には、休日労働となり、割増賃金の支払が必要となります。
  5. 休日振替の基本的な考え方(昭和23・7・5基発第968号、昭和63・3・14基発第150号)
    1. できる限り、振替の具体的事由と振替えるべき日を就業規則の中に想定することが望ましい。
    2. 振替実施日の前に、予め振替日を特定して振替えること。
    3. 振替日は、できる限り近接した日が望ましいこと。
  6. 1ヶ月単位or1年単位の変形労働時間制を採用している場合には、特に特定期間については、同じ週内で振替日を指定してください。他の週になると、特定期間の変形労働時間をオーバーし、時間外手当の支払が必要となります。

代休とは

  1. 休日振替のような手続を取らず、休日を休日のまま労働させた後に、その代償として特定の日の労働義務を免除することをいいます。
  2. 代休を与えても、休日振替とはなりません。
  3. 法定休日の労働に対しては、3割5分以上の割増賃金が必要です。
  4. 所定休日であっても、大抵の場合週40時間の法定労働時間を超えますので、2割5分以上の割増賃金の支払が必要となります。
  5. ただし、就業規則に「代休は無給とする」旨の定めがあれば、3割5分または2割5分の割増賃金のみ支払えばよいことになります。
  6. これは、代休を与えることにより労働義務のある日の労働義務を免除したことになり、その日の賃金はノーワーク・ノーペイの原則により支払いが発生しないからです。
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