労務管理の要点2…部下の把握と適切なマネジメント

当事務所では、管理職の方々が日常の業務を通じて部下を把握し、メンタルヘルス対策やハラスメント対策を含む職場環境の改善を行うためのマネジメント諸施策をご提案しています。以下ではその一部をご紹介いたします。

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<1>現状を把握する
<2>管理職に求められる役割
<3>定期的に評価を行う
<4>困った部下のタイプ別対応法
<5>部下を指導する際の留意点
<6>職場環境の改善

<1>現状を把握する

職場の人間関係、仕事の質・量、会社の将来性、仕事への適性などがストレスの原因と感じている人が60%を超えています。代表的なストレス要因はつぎのようなものです。

ストレス要因 女性 男性
職場の人間関係 50.5% 30.4%
仕事の質 32.5% 36.3%
仕事の量 31.1% 30.3%
仕事の適性 24.5% 21.2%

部下の把握と適切なマネジメントは、メンタルヘルス対策を含む労務管理の大きなポイントになります。

適切な労務管理 ◆労働時間は適正か?
◆能力・適性に合っているか?
◆仕事のできる人に集中していないか?
◆仕事に自由度(裁量権)はあるか?
良好な人間関係 ◆部下を理解し、必要な人間として認めているか?
◆コミュニケーションはとれているか?
◆セクハラはないか?
◆パワハラはないか?
職場環境は快適か ◆5S・空調・照明・分煙等

<2>管理職に求められる役割

社員のメンタル不調を防ぐためには、日頃からの部下の把握と適切なマネジメントが必要不可欠であり、管理職として求められる役割は次のようになります。

  1. 職場は「仕事の場」であることを常日頃指導することが肝要です。
  2. 管理職として評価するのは、「仕事の成果のみならず、その成果を上げるための職場秩序の維持(良好な人間関係を含む)である」ことを会社の意思として伝えることです。
  3. 最近の傾向として、会社は組織目的としての利益追求とともに地域貢献の役割を求められています。従って良好な人間関係を含む職場秩序の維持の重要性は益々高まっています。
  4. 職場は「仕事の場」です。自分一人で仕事はできないこと、他人と協働して仕事を進めることの大切さを日頃の教育・訓練を通じて徹底して指導することは地味な取り組みに見えますがとても大切なことです。
  5. 会社は一人ひとりの従業員を大切にしています。それは給与や福利厚生といった労働条件のみではありません。
  6. 従業員一人ひとりがかけがえのない大切な人である⇒必要とされる人であることをあらためて認識(認められている)してもらうこと、そのきっかけを作ることが肝要です。
  7. そのためには、チームの一員としての役割を誰の目から見ても分かるように「見える化」しておくことが必要です。
  8. 作業マニュアルやシフト表はそのための大切なツールであり、機会毎に適宜改善されなくてはなりません。
  9. チームの一員である以上仕事上のミスは許されません。しかし、ミスはある程度起こり得るものです。
  10. その時に大切なのは、上司や先輩の対応です。部下・後輩が失敗した時の対応如何で職場の人間関係に大きく影響します。
  11. 褒める⇒叱る⇒褒める(褒め方のサンドイッチ)も有効ですから、良いところは認めるが、ミスは許さない管理職としての姿勢を常日頃見せておくことは大切です。

<3>定期的に評価を行う

日頃の部下の仕事ぶりを注意深く観察し、下記の評価を定期的に実施し、改善の必要が認められた点についてOJT等で指導して下さい。

【評価シート】

評価項目 特技等 Aさん Bさん Cさん
実 績 仕事の質 仕事の丁寧さ      
豊かな文章力と表現力      
仕事の量 仕事の早さ      
段取り良く仕事をこなす      
後輩指導 仕事を進んで教える      
人の話を聞く(聴く)      
能力 業務知識 仕事の正確さ      
業務マニアルを熟知      
どこにあるかを熟知      
理解判断力 仕事の呑み込みの早さ      
周りの空気が読める      
危険予知能力がある      
対応力 機転がきく、よく気がつく      
言葉遣いの良さ      
気持ちの良い挨拶      
電話美人      
折衝力 事前準備を怠らない      
粘り腰      
協調性 人と協調する      
人の意見を無視しない      
勤務
態度
責任感 仕事の重要性を弁えている      
仕事をやり遂げる      
積極性 仕事に対する改善意欲      
新たな業務へのチャレンジ      
自ら進んで仕事をする      
規律性 時間を守る      
余計なおしゃべりをしない      

(評価点)5:特筆する特技がある 4:他の模範となる特技がある
3:期待レベル 2:やや劣る 1:指導の必要がある

<4>困った部下のタイプ別対応法

若手社員の一側面として、感情の起伏が激しく、自分を客観視できず周りに対する不満を募らせやすい、といった部分があります。管理職の方々はプレーイングマネージャーとして超多忙な中、ジェネレーションギャップに苦しみつつ彼らと対峙しなくてはなりません。若手社員に限らず、上司をうつに追いやるような困った部下もいますが、あなたのそばにはいませんか?

【上司をうつに追いやる10人の部下】

困った部下のタイプ 特徴 対応のヒント
にわとり部下 3歩あるけば、言われたことを忘れる。 業務上の指示事項はメモをとる習慣をつける。
ゴシップ部下 仕事よりも噂話に夢中! 職務専念義務違反、
噂話は自分に返ってくる。
指示待ち部下 自分で考えず、言われたことしかやらない。 少し高めの目標を与え小さなことでも仕事の結果を褒める。
美味しいトコ
どり部下
時間がかかる仕事、大変な仕事はやらない。人に押付ける。 仕事の分担を「見える化」して結果評価も「見える化」する。
KY部下 周囲の忙しさなんかお構いなしのマイペースぶり。 業務マニュアルの中に分担表を明記、評価制度と連結。
心もとない部下
心ココにない部下
仕事ができない上に、人の話を聞いていない。 訓練目標を設定しOJTと連動する。
結果記録を残す。
謝らない部下 自分は悪くない、指示が悪い、他人が悪い…。 事実を正確に把握すると共に記録し、注意喚起する。
言い訳部下 ミスをしてもまずは言い訳、口癖は「っていうか~」 ミスを見逃さず記録する。記録を基に指導。
言いつけ部下 教育上の指導も「パワハラ」と騒ぎ、親等に言いつける。 会社の指導方針の履行を公平に行っていることの周知。
ウソツキ部下 遅刻やミスを隠すためにケロっとしてウソをつく。 報告された事実を記録として残す。辻褄の不一致を指摘。

参考文献:「うつのレシピ」

<5>部下を指導する際の留意点

部下を指導するときに次のことに気をつけてください。

  1. 相手に逃げ道を残す
    ……「お前のやることは全てダメだ」など頭ごなしに否定せず、追い込まない。
  2. 一つ褒めてから一つ注意
    ……「君は仕事が早く、助かっている。だが少しミスが多い。」など
    注意する前に一つ褒める。
  3. 注意したりするときはスパッと短く
    ……「 大体いつも君は」などダラダラと言わない。
  4. 言い方など発言以外の部分にも気を配る。
    ……表情や態度などでも、言われた方の受け取り方は大きく変化する。
  5. 「あなた」ではなく「私」を主語に
    ……「あなたは仕事が遅い」ではなく、「私はもっと早く仕事をして欲しい」など、
        自分の気持ちを素直に伝える。

指導をする時はパワハラと「指導」との境目をよく認識してください。

パワハラの要素 指導の要素
人格否定 部下の成長を願う
特定の個人を攻撃する 明確に業務命令を発する
意図して行う 評価制度の裏付けあり
継続的に行う OJTの一環
不当な評価を正当化する 生産性、業績向上
組織的なもの(退職勧奨等) チームワーク(方向性の一致)

参考文献:「うつを防ぐ20のヒント」

<6>職場環境の改善

職場環境の改善は、良好な人間関係の構築から始まります。

  1. 職場のメンバーがうつ病等になることを防止するために、上司としては辛抱強く部下の本音を聞きだす努力が必要です。
  2. メンタルヘルスケアを怠った場合、優秀な人材を失い、生産性の低下を招きます。
  3. 職場には、過重な労働、無理な人間関係など「うつ」を招く要素が幾つもあります。
  4. 日頃から、挨拶などのコミュニケーションの大切さを啓蒙すること、愚痴を聞いて上げられるような人間関係の構築が必要です。
  5. 職場で働く人々が、仕事を楽しめる環境を作ること、これこそがメンタルヘルスケアの核心です。
  6. 自分自身が以下に記載するような上司になっていないか自己点検しましょう。
タイプ別ダメ上司 YES NO
威張り散らす上に、ケチな上司    
仕事が分かっていない上司    
部下を育てる視線がなく、褒め方を知らず、あら捜し専門の上司    
部下の話を聴かない、部下の気持ちが分からない、上から目線の上司    
自分の立場からしか物事を見られない上司    
正論を吐くが、言うこととやることが違う上司    
窮地にある部下を冷たく突き放すだけの上司    
問われても教えない・教えられない上司    
叱らない・叱れない、叱り方が下手な上司    
部下の適性を考えず、仕事を振るだけの上司    
お調子者、身勝手、保身、何でも他人のせいにする上司
   

職場環境の改善を積極的に推進する上司として、次のようなスキルを身につけてください。

得意な技を持つ
◆仕事の段取り技術、タイムマネジメント
◆論理的思考力、難しいことを分かりやすく話す力
◆ビジュアルコミュニケーション(図解)
◆誉める技術と叱る技術(自分のルールで)
愛情をベースにした厳しさ
◆あいさつ、声を掛ける効果を知る
◆自分の努力している姿勢を示す、引っ張っていく(育てる思い)
◆真実の瞬間(15秒間)、自分も相手に判断されている事を知る
◆愚直なまでの繰り返ししかない(基本の徹底)
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